多摩地区の6mシーズン

多摩地区における6mの運用局は多いと言えます。 しかしながら、必ずいつでも運用局がいるわけではありません。 運用の状況を理解して、運用するといいでしょう。

多摩地区の春.

3月

乾燥した季節風が吹くと、ノイズレベルが高くなります。 そんな季節風が終ると、移動運用局のCQが聞こえてきます。 まだ運用している局が多いわけではありません。 バンド内が空いている状態ならば、積極的にCQを出すといいでしょう。

ただし、多摩地区は運用局数が多いことを忘れずに。 遠方からの弱い信号と交信を試みている局がいる可能性もありますので、CQを出すときはその周波数前後をよくワッチして、近隣局に配慮して運用することが大切です。

6mでオーストラリアなどが入感するような太陽活動が活発なときは、F層のスキャッタも期待できます。 スキャッタは利得のあるアンテナでないと不利ですが、強いスキャッタの場合は2エレでも交信のチャンスがある場合があります。 国内のビーコンをチェックして、50.490MHzのJG1ZGW/b(東京都大田区)以外のビーコンが入感したら、50.150~50.250MHz付近をよくワッチしましょう。 誰も気付いていないようでしたら、CQを出しましょう。

4月

バンドの様子は3月とあまり変わらず、まだEスポには早い時期です。 移動運用局が増え始め、地表波で500kmを越えるような地域の信号が、弱く入感することもあります。 遠方の沖縄の局が弱く不安定に入感し始めると、Eスポシーズン到来と考えていいでしょう。

Eスポは、4月前半より後半の方が発生頻度が高まりますが、その年によって発生の様子が異なります。 50.037MHzのJR6YAG/b(沖縄県糸満市)のビーコンを時々チェックして、コンディションの確認をしましょう。 確実ではないですが、10時~12時と16時~18時くらいに入感する頻度が高いと思います。

下旬のオールJAコンテストは、6mは賑わいます。 自分の設備でどこまで飛ぶか、どこが聞こえるか確認できるいい機会です。 24時間コンテストであり、普段運用局がいない深夜ので、地表波の伸びを感じることができます。 コンテストでの交信を楽しみつつ、春のコンディションを探ってみてください。

5月

3日は東京コンテスト。 都内の局が主役ですので、私たち多摩地区の局は積極的にCQを出して交信局数を増やしてみてください。 コンディション次第ですがEスポが発生して、思わぬマルチを得ることもあります。 開催時間が、丁度Eスポが発生しやすい時間帯でもあります。

ゴールデンウィークは移動局も多く、あまり交信機会のない市郡と交信できることもあります。 移動運用を楽しむ局の遠征運用もありますので、期待してバンドをワッチしてください。 7地域や0地域では遅い春が始まり、移動運用局も増えてくるのがこの時期です。

Eスポが活発に出現するのは、年によって違いがありますが5月中旬以降です。 普段交信できない遠方の局が入感しますので、特に50.150~50.250MHz付近をよくワッチしましょう。 50.037MHzのJR6YAG/b(沖縄県糸満市)や50.017MHzのJA6YBR/b(宮崎県宮崎市)が聞こえているのにバンド内が静まり返っている場合は、積極的にCQを出すといいでしょう。

近隣国のCQがEスポで入感することもあります。 50.100MHz~50.150MHzをワッチし、聞こえていたら積極的に交信しましょう。

多摩地区の夏.

6月

Eスポの最盛期と言えます。 早朝からEスポが発生して、遠方の運用局が聞こえる場合もありますので、早めにワッチしましょう。 Eスポが出現していなくても、早朝はノイズレベルが低いです。 地表波による遠方の運用局が弱く聞こえてくることもあります。

Eスポで入感する地域が、5月後半くらいから近くなってきます。 Eスポは時間の経過で動くものですので、だんだん入感する地域が変わってきます。 近距離Eスポと言われる500km前後は慣れた地域が聞こえたら、真剣に交信を行いましょう。 多摩地区からですと、大阪や青森あたりです。 年に数えるほどのオープンですので、チャンスを逃さないようにしてください。

Eスポのオープンが終りかけると、スキャッタを楽しめることもあります。 スキャッタは利得のあるアンテナが必要となりますが、Eスポが不安定になってきたと感じたら、よくワッチしてみると思わぬ地域と交信ができます。 同様にEスポの発生前にも、スキャッタが出現することもあります。

7月

上旬の6m & Downコンテストは、Eスポ最盛期に行われるコンテストです。 Eスポシーズンでも深夜の地表波は伸び。遠方が聞こえますので、ぜひ参加してみてください。

近距離Eスポが発生するのは、年によって異なりますがだいたい7月中旬位までです。 その後は入感する地域は遠くなりますが、まだまだEスポを楽しむことができます。 5月は大人気だったEスポも、徐々に飽きがくるのか運用局が少ないときもあります。 このような場合は、近隣局に配慮しながら、積極的にCQを出してみましょう。

普段運用局が少ない8エリアに、遠征する移動運用局も増えます。 8エリア以外から遠征する局は、交信実績の少ない市や郡から運用する傾向があります。 特に郡が多く、またエリア面積が広い北海道ですので、ぜひ交信のチャンスは逃さないようにしてください。

8月

上旬のフィールドデーコンテストは、移動運用を推奨したコンテストで、移動運用局で賑わいます。 しかし近年は猛暑で、移動運用を控える局も多いと考えられ、以前より参加局が減ったように感じます。

早朝のノイズレベルが低い時間帯に、地表波による遠方との交信ができる時期です。 北日本は秋の到来も早いですから、7エリアの運用局が聞こえたら交信しておきましょう。

Eスポはその年によってですが、ずいぶん発生頻度が下がってきます。 しかしお盆休みの前後は流星群のスキャッタで大きなオープンを経験したこともあります。

ハムフェアの開催日は、移動運用しても呼ばれないというイメージがあります。 残暑も厳しい時期ですから、移動運用局も限定的です。 ときどき沖縄の局が弱く入感すると、Eスポのシーズンの終わりを感じます。

多摩地区の秋.

9月

Eスポが終ると、地表波の季節です。 Eスポシーズンが終わると、6mのシーズンは終わりと考える局も多いですが、実はまだまだ6mは楽しめます。 太陽活動が活発なときは、F層のスキャッタも期待できます。 驚くほど安定して日本国内と交信できますので、このチャンスを見逃さないようにしましょう。

上旬はEスポが出現することもありますが、だいたい聞こえるのは沖縄の局です。 今年最後のEスポを楽しんでみてはいかがでしょうか。

暑さが収まってくると、移動運用局も増えてきます。 バンドが賑わうときには応答に回り、バンドがしているときは積極的にCQを出してみましょう。

10月

快適な陽気となる季節ですので、移動運用には最高の季節です。 しかしEスポの終焉と共に6mの運用を終えてしまう局が多く、バンドは静かになってきます。

このような季節ですので、自宅から出て多摩地区の高台から移動運用はいかがでしょうか。 多摩地区は奥多摩という自然豊かな地域があります。 この地域は移動運用を行う局が多いですので珍しくなく、パイルアップが起きることもありませんが、普段と異なる運用をするのも6mの楽しみです。

11月

多摩地区も紅葉の季節になり、朝晩が冷えてきます。 早朝から運用する移動運用局が減り、だんだんと運用局も減ってきます。

後半になると冷たい季節風が吹くこともあり、ノイズレベルが高くなります。 今年の移動納めとする局が多いのもこの季節です。

多摩地区の冬.

12月

バンド内が閑散としてきます。 こんな時期には、近隣の局とローカルQSOを楽しめる季節です。 設備のこと、運用のこと、各局が経験した情報をお互いに語り合えるのがローカルQSOの良さです。

1月

上旬はニューイヤーパーティーで賑わいます。 傾向的には2日の参加者が多く、4日以降は参加者が少なくなります。 皆さん参加証が手に入り20QSOを目指し、20QSOに達すると終了してしまいますが、せっかくたくさん交信できる機会ですので、たくさん交信をしましょう。

中旬に開催される埼玉コンテストは、バンド内がさみしくなる季節にはありがたいイベントです。 あまり運用が盛んではない市からの運用もありますので、このチャンスを上手く利用しましょう。 埼玉県は多摩地区と隣接する自治体ですが、市の数が多いです。 JCCを狙う場合は、ローカルコンテストの利用することをお勧めします。

ニューイヤーパーティーと埼玉コンテストが終ると、途端にバンドは閑散とします。 春のにぎやかな季節に向けて、設備の見直しなどをしましょう。

2月

最も閑散とします。