Antenna  アンテナ

A

6mでは、SSBやCW、AMなどを運用する多くの局が水平偏波のアンテナを使っています。 水平偏波のアンテナと言えば、ダイポールや八木アンテナが代表的です。 電波の打ち上げ角が低いループ系のアンテナは、移動運用では人気があります。 FMはモービルでの運用を想定して、垂直偏波のアンテナが使われています。

移動運用ではアンテナを上げることが手間のひとつです。 簡単にアンテナを上げられるよう工夫をすることが、移動運用のテクニックと言えます。

移動運用アンテナの選び方

移動運用では、アンテナを短時間で上げる技術が必要になります。 自分の力量を考え、取り扱うことができる重量のアンテナを選ぶことがポイントとなります。

アンテナは、利得が高いほうが強い電波を送信できるだけではなく、弱い電波も受信しやすくなります。 ダイポールより、八木アンテナの様にエレメント数が増えると利得は高くなります。

移動運用では、電波の放射パターンを意識することをお勧めします。 CQを出してたくさん応答してもらいたいときは、ダイポールや2~4エレが適しています。 逆に一方向だけを狙いたい場合は、5エレ以上のアンテナを選ぶといいでしょう。

電波の打ち上げ角を意識する

アンテナを高く上げると打ち上げ角が低くなり、電波は地を這うように飛んでいきます。 グランドウェーブ(地表波など)で遠くに飛ばすときには、このような電波の飛ばし方をします。 ループ系のアンテナは、打ち上げ角が低いといわれます。 ヘンテナやデルタループなどを移動運用で使う局が多いのも、この理由があるからです。

Eスポによる通信の場合は、打ち上げ角を高くしたほうが有利の場合があります。 このような場合は、アンテナ高さを低くすることで電波の打ち上げ角が変わります。 モービルホイップを活用もEスポに有効になる場合もあります。 状況に合わせてアンテナを使い分ける、変えてみることも移動運用での工夫のひとつです。

組み立てやすい工夫

移動運用でのアンテナを組み立ては、工具を使わない工夫をお勧めします。 ナット部分は全て蝶ナットに変えることにより、工具を使わずに早く組み立てられます。 アンテナを早くあげて、運用時間を長くしましょう。

ショートバーをつける位置やエレメントはマークをつけておくと、ミスなく組み立てられます。 アンテナを上げてしまってから間違えに気付くと、一度下さないとならないという手間が発生します。 私は油性のマジックで直接マークを書き込んでいます。

SPQの移動運用事件簿

その1.ショートバーを忘れた・・・

ショートバーくらい無くても、チューナーで何とかなるだろう。 小さな部品であっても、SWRを測ると愕然とする数値です。 移動運用に来て、運用せずに帰るのはくやしすぎます。 ため息をついていると、足元に錆びた針金が落ちていることに気付きました。

ショートバーっぽいサイズに切って結線すると、SWRは納得できる数値に落ち着きました。 天の救いです。 この失敗から、ショートバーは必ず2セットもって行くようになりました。 忘れ物は移動運用ではあってはならないのです。

その2.ボルトを落とす

アンテナを組み上げているときに、ブームをつなぐボルトを落としました。 見つかりません。 外れることはないだろうと、そっとアンテナを上げました。

アンテナを回したらブームが外れて落ちてきました。 自動車の屋根に直撃し、落ちた場所はへこんでいます。 応急処置としてボルトで固定する穴に木の枝を差し込み、外れないようにしましたが、自動車の傷は残りました。

それ以来、ボルトや蝶ナットの予備は工具箱に入れてあります。 部品は少し、予備を持っていたほうがいいと思います。