はじめに

6mで移動運用のすすめvol2

2020年、6m(50MHz)を始めてから25年が経ちました。 25年もやっていると、なんとなく6mを理解できた気がします。 国内QSOでは季節毎に変化するコンディションを楽しみ、栃木県内から6mのSSBで全市全郡と交信。 おかげさまでWACAとWAGAを受賞できました。 このアワードを通じて、栃木県内(※)から様々な伝搬を活用し、6mを一通り理解することができました。 またDXでは何度か大きなオープンに遭遇し、珍しいといわれる地域を含むエンティティと交信することができました。

6mの特徴でもある『変化するコンディション』はワクワクするものがあり、時間が経つのを忘れるほどエキサイティングな経験をすることもあります。 6mで盛んな移動運用は、自宅(シャック)で交信することができなかった地域の交信を可能にします。 交信したい地域や、その日の気分で運用地を変えることができます。 そんな移動運用は自由であり、青空の下での運用は爽快です。

移動運用は面倒だという意見があります。 確かにリグのスイッチを入れるだけで運用できるものではなく、移動地に出かけ、アンテナを上げるという手間があります。 その手間に見合う楽しさを感じられるのが、移動運用です。 自宅では聞こえなかったエリアと交信ができ、CQを出せばたくさん呼ばれることは、移動運用だから経験できることです。

6mの移動運用をおすすめする理由

あなたはアマチュア無線を楽しんでいますか? エキサイティングな経験をしていますか? もし「NO」でしたら、6mの移動運用をおすすめします。 私が6mの移動運用をおすすめする理由は、以下のものがあります。

6mはコンパクトな装備で始められる

移動運用で手間なのは、アンテナを上げることではないでしょうか。 6mのアンテナは、エレメントが3m位と扱いやすいサイズです。 市販のアンテナが売っていますが、ぜひ最初は自作のダイポールで移動運用をされることをお勧めします。 理由は、ダイポールはアンテナの基本形です。 電波の飛び方をシンプルに理解でき、八木アンテナなどにグレードアップしたときの比較対象になります。

現在の6mの移動運用においては、正直ダイポールは非力なアンテナです。 その非力なアンテナで、より効率よく電波を飛ばす経験をすることにより、移動地選びに差が出てきます。 ダイポールを馬鹿にせず、ダイポールで楽しめる移動地を探してください。

アンテナがコンパクトならば、気軽に始められると思います。 小型のリグを持っていれば、ダイポールを作って週末は、移動運用に出かけましょう。 自宅の近くで見晴らしがいい山や丘はありませんか? そこで運用すれば、きっとエキサイティングな経験が待っています。

お手軽運用は最初だけ

ダイポールでの運用は、決してお手軽な運用ではありません。 リグに付属するホイップや、モービルホイップでの運用を、このページではお手軽運用とさせていただきます。

ホームページを検索すると、お手軽運用を勧めているページがたくさんあります。 これは危うい情報と言えます。 お手軽運用は、運用の結果もお手軽レベルですのですぐに飽きます。 FM以外のモードでは水性偏波のアンテナを使いますので、垂直偏波のアンテナでは送受信共に不利です。 面倒でもアンテナはポールを立てて、水平偏波のアンテナを使ってください。

移動運用を始めると、交信を通じて色々な経験ができます。 交信ができなかった局がいれば、それはなぜか考えると、設備の増強を検討するようになります。 もちろん交信の技も身に付ける必要があるでしょう。 感じた課題を次の移動運用に生かしていけば、移動運用は楽しいものになるはずです。

地域的な差

6mには、地域的な差があります。 1エリアにいると、6mは年中楽しめるバンドではないかと思えるほど運用局が多いです。 しかし、8エリアや沖縄などでは、Eスポが出ないとなかなか楽しめないと思います。 また無線人口が少ないエリアでは、毎日聞いても何も聞こえないという季節もあります。

その様なエリアでは6mに固執することなく、他のバンドと組み合わせて楽しむといいと思います。 もちろんアンテナを大きくして、大都市圏に電波を送り込むと楽しめるというエリアもあります。 でも最初から大きなアンテナを上げるとなると、負担が大きくなると思います。 ぜひ地域の事情は、近隣で移動運用を楽しむ局に聞いてみてください。

このページの目的

移動運用に出かけたら、たくさん交信したいと思います。 CQを出してたくさん呼ばれる快感は、6mを長く楽しむうえで重要だと思います。 しかし、交信には相手局が必要ですので、相手局に交信したいと思ってもらわないといけません。 それには多少の知識と設備が必要になってきます。

私が6mを本格的に始めたころ、週末はとても賑わっていました。 移動運用をしている局はオペレーション技術が高く、見事にパイルアップをさばいていました。 移動運用であれだけ呼ばれれば、楽しいだろうと思うくらい盛んに交信をしていました。 入門したての私はパイルアップを聞き、どんなオペレーションをしているのか探りました。

また移動運用をしている局がいれば近づき、どんな設備で楽しんでいるか、どこと交信しているのかなど参考させてもらいました。 そのころの経験が、今に活きています。

最近は、バンド内が静かです。 最近のリグは、HF機にも6mが付いていますので、運用できる局はたくさんいるはずです。 6mは複雑なコンディションでもあるため楽しむことができず、運用局が多いHFのローバンドやEスポが長くオープンするHFハイバンドに人気を取られて いるように思えます。 6mの楽しみ方、移動運用の楽しみ方を発信することで、少しでも新たに6mを始める局が増え、6mに定着していただけないかと考えました。

このページでは私の経験をベースに紹介しますので、論理的な説明ができない感覚的なものも含まれます。 明らかに実情と異なる部分もあるかも知れません。 多少の勘違いは、恐れ入りますがご容赦ください。 このページを通じて、6mの移動運用の面白さを多少なりともお伝えできれば、幸いと思っております。

では『6m移動運用のすすめ』、どうぞお楽しみください。

vol.2制作開始 2020年6月 JK1SPQ