アンテナポール

アンテナポール

アンテナは、『高く』あげることが基本です。
50MHzでよく使われる水平系のほとんどアンテナは、ポール等を使って高くあげて使います。 その高さは危険がない程度に、1波長に相当する6m以上がよいと、経験から感じています。

6mの高さにダイポールを上げた場合、CQ出版社のアンテナハンドブックによると15度位と50度位に電波が放出されます。 もちろん電波を見たことがないので、データに納得することが正しいと思います。 電波は地面の状態や地形によっても変わるといいます。 いろいろと想像しながら、より遠くに電波を飛ばすためにアンテナの高さに着目することをお勧めします。

アンテナポールとして使えるもの

アンテナがつけられれば、竹や木材、金属などの棒であればアンテナポールとして使えます。 自宅などの固定局でアンテナを上げる場合は、足場パイプが丈夫で安価です。ホームセンターで売っています。 しかし、このパイプを移動運用に持って行き、高くアンテナを上げるのは難しいように思えます。 釣り竿状の収縮ポールならば、収納時はコンパクトになり、持ち運びは楽になります。 移動運用では、コンパクトに収納できる点にも着目しなければなりません。

アマチュア無線用として、市販の収縮ポールが丈夫で使いやすいと思います。 代用としては、アンテナが軽量の場合は釣竿を活用できます。 渓流釣りで使うような硬めの竿ならば、しなることがなく使えます。

アンテナによって異なる電波の飛び方

1波長程度に上げることをお勧めしましたが、すべてのアンテナに言えることではありません。 ループ系のアンテナは、給電点が低くても打ち上げ角が低くなるようです。

以前ヘンテナを作って、給電点を2mの高さで運用しました。 納得できる電波の飛びを経験しました。 ヘンテナだと軽量に作れますので、アンテナポールとして渓流竿を活用することが考えられます。 ループ系であっても、給電点は少しでも高いほうが良いと考えます。

安全面を考えても、人がアンテナに触れない高さに上げたほうがいいと思います。 身をもって経験したことですが、逆Vアンテナの終端を送信中にさわってしまったことがあります。 しびれます。 子供などが無意識にアンテナにさわり、事故につながらないようにするためにも、手の届かない高く上げたほうが安全です。

自動車で行く移動運用

具体的にどのようなポールを持って行くか紹介します。 自動車で運用地に向かい、駐車できる場所で運用する場合は、私はフジインダストリー社の9m強の収縮ポールを使ってます。 アンテナベースというポールを固定する基台を自動車のアンテナに踏ませて、そこにポールをたてます。 アンテナをつけ、ポールを上に向かって伸ばしていきます。

ポールが倒れないようにステーを使う方もいますが、私は強風が吹かない限りステーを張りません。 50MHzの5エレ程度の重量なら、倒れるような問題はありません。 重量はありますが、しっかりとした作りで使いやすく、優れた商品です。

ただ残念なことに、同社のポールは販売が中止になると聞いています。 移動運用の標準的なアイテムだっただけに、非常の惜しい商品を失いました。 6mや4.5mの収縮ポールはメーカーから販売されていますが、フジインダストリー製に比べると太さがなく心もとない気がします。 これから移動運用で楽しむ局のために、製造販売をしてくれる企業が出てくれことを願うばかりです。

自転車や徒歩で行く移動運用

自力で運搬するため、軽量なポールを選ぶ必要があります。 アマチュア無線用として、市販のものがいくつか販売されています。 釣竿なども使えますが、アンテナの軽量化が課題となります。

私は30年近く前に買ったアンテン製の4.2mの収縮ポールを使っています。 4エレのHB9CVなら、このポールでたてることができますが、それ以上のエレメント数になると厳しくなります。 エレメントと重さは、ある程度比例すると思いますので、よく考えてアンテナポールを選ぶといいともいます。 なお、ポールは一度買うと壊れませんので、しっかりしたものを選ぶといいでしょう。

アンテナポールをたてる場所

私が心掛けているポイントは、送受信する方向が切り立っている場所を選んでアンテナを上げます。 少しの高低差が、多少なりとも打ち上げ角に影響があると考えているからです。 飛んでいく電波は見たことがないのですが、経験してみて得られたものです。 崖状になっている場所などを狙ってアンテナを上げますが、安全をしっかり考慮してください。

自動車で行く移動運用の場合は、アンテナベースを自動車のタイヤに踏ませて固定をします。 そうではない場合は、ステーを張って自立させるか、ポールが垂直になるよう何かにを固定します。 ポールをロープや、ゴムバンドで縛れば十分な強度が得ることができます。

よく利用するものとして鉄製のフェンスを使う方がいますが、私は避けます。 アンテナに影響が出て、SWR下がらなかった経験があるからです。 角度によっては、問題のない場合もあります。 鉄製フェンスよりガードレールのほうが、アンテナとの高さの差がありますので影響は少なく、時々固定に使うこともあります。

山の中にある木製のベンチなども使えます。 ゴムバンドを使えば、複雑な形状でも固定することができます。 山頂などにある道標は、アンテナポールを沿えて固定するにはベストなものですが避けましょう。 登山客や観光客の撮影ポイントになりますので、遠慮することが正しい行動です。

まとめ

移動運用で市販のアンテナを上げ、50W出力で運用したのにもかかわらず楽しめない場合は、電波の打ち上げ角を検証しましょう。 アンテナ同様にアンテナポールは重要なアイテムであり、手を抜くとそれなりの楽しみ方となります。

各局様々な考えがありますので、まずは検討してやってみることがベストです。 バランスの良い運用システムをそろえることは、移動運用を楽しくする基本となると思います。