アワード

アワード

はじめて交信できた喜びは大きなものがありますが、同じような交信を繰り返すと飽きがきます。 ところがテーマをもって運用すると感覚が変わり、テーマに向けた努力が生じます。 その努力が継続となり、長くアマチュア無線を楽しむ秘訣ではないかと考えます。

テーマの一つがアワードがあります。 ゴールに向けた進捗も数値化されますのでわかりやすく、目標が立てやすいです。 ぜひ50MHzを長く楽しむためにも、アワードを活用してください。

お勧めのアワード

私がお勧めするアワードは、WACAとWAGAです。

ご存知だと思いますが、WACAは現存する全ての市で運用する局と交信し、QSLカードを得ることで受賞できます。 WAGAは郡を対象にしています。

50MHzは様々な伝搬により、なんとか国内全ての地域と交信ができます。 しかし、交信は偶然のコミュニケーションであり、コンディションだけで解決するものではありません。 WACAやWAGAのアワードを受賞するため、10年以上の歳月を費やす局もいます。

そんなに壮大なテーマでは、途中で飽きてしまうのではと心配になりますが、途中経過が分かるようJCCやJCGのアワードが用意されています。 最初はJCC-100、JCG-100を目指しましょう。

50MHzはJCCやJCGアワードが盛んなバンドで、アワードにチャレンジする局への理解があります。 アワードの申請に必要となるQSLカードの発行も当たり前のように発行してくれます。 全市や全郡の交信が近づいた局に対して、早くアワードが完成するように移動運用を行ったり、情報の提供などが盛んにおこなわれます。 50MHzにおけるWACAやWAGAは一人の力ではなく、6mマンの支援や応援も受けながら完成するものです。 受賞したときは感謝と満足にあふれる感動的なアワードと言えます。

同一都道府県内で目指す

以前の国内向けアワードのほとんどが、『同一都道府県内での運用に限る』というものでした。 しかし、いつの間にか運用地の制限がなくなり、交信できればいいというものになってしまいました。

なぜ同一都道府県という制限があったか。

推測ではありますが、自分のいつも運用するエリアでの伝搬を理解し、交信の基礎力をつける教育的な思惑があるように思えます。 WACAとWAGAの受賞経験者として、運用した栃木県内での伝搬は頭に入っていますので、どのような状況でも楽しめる自信があります。 その経験を使って、コンテストでも結果を出すことができます。

とても考え抜かれた、楽しみながら学べる教育システムでしたが、今となっては「ただ交信できればよい」というものになってしまいました。 狭いエリアでの運用で受賞した局の交信力は違います。 ぜひ同一都道府県という縛りをもって、アワードに挑戦して欲しいと思います。

シングルモードで目指すWACAとWAGA&

モードによって、運用局の多さや交信難度の違いがあります。 そのモードを十分理解する上でも、シングルモードによるアワードの受賞を目指すことをお勧めします。 安定したコンディションでは、各モードの差はあまりないと思いますが、50MHzは不安定なコンディションが多いです。 CWで交信できても、SSBでは難しいというケースは普通にあります。

これから始める方は、運用局の多いSSBをお勧めします。 3アマ以上のライセンスをお持ちの方は、CWを並行してもいいでしょう。 AMは弱い信号での交信が厳しくなります。 全体的に考えて、SSBがハードルの低いモードとなります。

全市(全郡)と交信すると

QSLカードを全て揃えて、アワードの申請をすることができます。 これは目に見える成果ではありますが、それ以外に技術の変化を感じます。 50MHzだけではなく、他の周波数でも通用する交信技術が身についているはずです。 パイルアップを受けても、スマートにさばけるようになっています。 国内コンテストで50MHzのシングルバンドで参加すると、上位にランキングされ始めます。

実際に経験すると、交信技術が楽しみながら向上することがわかります。 アワードはこんなメリットがあります。 挑戦してみる価値は大いにあります。

アワードが完成したら

アワードが完成すると、燃え尽きてしまう局がいます。 実は私がそうでした。 コンディションも一通り経験してしまうので、目新しいことが全くなく、徐々に50MHzへの熱意が冷めてしまいました。

実はこれは悪い例で、自分はアワードが完成しても、アワードを挑戦中の局がたくさんいます。 今まで、先輩6mマンの支援や応援を受けながらアワードを受賞した訳ですから、今度は自分が支援者として活動するべきです。

もちろん運用する都道府県を変えて再挑戦もいいと思いますし、異なるモードで挑戦することも素晴らしいことです。 燃え尽きて終わりにせず、新たな挑戦や楽しみを50MHzで見つけ、長く楽しんで欲しいと思います。