WAGA日記11

11. 電波をすくい上げるように ~ 一瞬の信号を確実に捕らえる ~

2002年11月03日

兵庫県赤穂郡。過去に3局の移動局と交信しています。 しかし、交信した3局がQSLカードの交換に応じてくれません。 何度かSASEを送ったのですが、3局とも返事をもらえませんでした。 長い間、WACAやWAGAを目指してJCCやJCGを追い求めていると、このようなこともあります。 運が悪かったと考え、次のチャンスを狙う方が賢明です。

「そろそろ今年の6mの移動運用も終わりかなぁ…」 11月になると、栃木の移動運用は寒さがこたえます。 そのような気候の中、兵庫県赤穂郡を狙います。 確実にグランドウェーブで電波をとらえることを考え、上都賀郡足尾町の前日光高原に向かいました。 栃木県内で西方面がベストといわれる芳賀郡は、この連休は陶器市が開催されます。 交通規制や渋滞が予想されますので、芳賀郡での運用を避けました。

氷点下の前日光高原で、よく冷えたアンテナを組み立てるのは、手がしびれるように痛みます。 紅葉の季節が過ぎ、アンテナを上げた場所周辺は葉を落とした広葉樹が広がります。 風が体温を奪い、もう真冬のようです。

リグのスイッチを入れてワッチ開始すると、弱い信号が聞こえます。 赤穂郡の移動局と思われますが、呼べる状態ではありません。 アンテナポールを少しずつ回し、信号が強い方向へ向けます。 しばらく聞いていると急に信号が強く入感してきました。

「チャンス!」
急ぎコールすると、私のコールサインが返ってきました。 レポートを交換し、交信が成立です。 その後、赤穂郡の信号はスーッと弱くなってしまいました。 数十秒の出来事でした。

一瞬のチャンスを逃がさず、本当によかったと思います。 おかげさまで苦労した赤穂郡も無事に交信ができました。 今年は、これ以上の進展は望めないでしょう。 来年の春から、未交信の郡を求めて、WAGAの完成を目指そうと思います。

全郡交信まで9郡。