はじめに

6mで移動運用のすすめvol2

6mを始めてから、2025年で30年が経ちました。 その間、栃木県内で挑戦した全市全郡との交信は各地の6mマンに支えられながら達成することができ、50MHz・SSBのWACAとWAGAをいただくことができました。 このアワードを受賞していると6mの上級者と思われがちですが、まだまだ6mが解らないと思うことばかりです。 気まぐれなコンディションにはいつも翻弄されます。 コンディションに恵まれると、その楽しさから6mの毒が全身に回ります。

6mで盛んな移動運用は、自宅(シャック)で交信することができなかった地域の交信を可能にします。 交信したい地域を考えて運用地を変えることができ、6m特有の気まぐれなコンディションが絡まって、思いもよらぬ経験ができます。 移動運用は自由であり、青空の下での運用は爽快です。 一人でマニアに浸るのもよし、仲間と一緒に楽しむこともできるのが移動運用です。

 参 考 に    教育システムと考えるアワード

2000年頃までのJCCとJCGアワードは、同一都道府県の運用に限るという規約がありました。 自宅とその周辺で運用することで多くの伝搬が経験でき、楽しみながら通信技術を向上させる教育システムであったとふり返ります。 JCCとJCGアワードのゴールとしてWACAとWAGAがあり、完成は大きな達成感を味わうことができました。
最近は運用する場所の制限が廃止され、より簡単にJCCやJCGアワードを受賞できるようになりました。 多くの局にチャンスが増えたことはいいことですが、達成感のハードルが下がり、受賞したものとして何となく複雑な気持ちです。

6mの移動運用をおすすめする理由

6mの移動運用をおすすめする理由は、以下の3点です。

 参 考 に    楽しさが減った6m

2000年頃の6mは、アワードハンティングやコンテストが盛んだったことから、移動運用が華やかな時代でした。 いわゆる珍市や珍郡という市郡で運用するとパイルアップが起こり、楽しい移動運用が体験できました。 今は6mの全体のアクティビティが下がり、楽しさが減ってしまったところが残念です。

6mはコンパクトな装備で始められる

移動運用が面倒と感じることは、アンテナを上げることではないでしょうか。 6mのアンテナは、エレメントが3m弱と扱いやすいサイズです。 まずはダイポールを自作して、移動運用をやってみてください。

アンテナがコンパクトならば、気軽に始められると思います。 もし小型のリグを持っていれば、ダイポールを作って週末は移動運用に出かけましょう。 自宅の近くで見晴らしがいい山や丘はありませんか? そこで運用すれば、きっと楽しい経験が待っています。

 参 考 に    始めはダイポールで

移動運用の始めは、ダイポールをお勧めします。 ダイポールはアンテナの基本形で、電波の飛び方をシンプルに理解できます。

八木アンテナなどが容易に使える6mの移動運用では、正直ダイポールは非力なアンテナといえます。 しかしその非力なアンテナで効率よく電波を飛ばす力をつけることにより、今後の高利得のアンテナを使ったときの電波の飛ばし方が変わります。 移動運用の始めは修行と考え、試行錯誤することが今後のステップアップにつながります。