はじめに

「TRY! DX」をご覧いただき、まことにありがとうございます。 このサイトは私、JK1SPQが実際に経験したことをもとにまとめたものを、2000年から公開したページです。 2006年からしばらく公開を中止していましたが、この度、何かの役に立てればと思い、再公開します。

2000年、当時の私はほとんど素人で、DXの何をやるのもどきどきしながらやっていました。 その様なレベルですので、初心者しかわからない悩みもたくさん出てきます。 DX入門書には出てきそうもない話ばかりですが、ちょっと変わった体験談の提供を目指したいと思います。 コンディションがパッとしない休日の娯楽に、ご利用いただければ幸いです。


何がTRYなのか

アマチュア無線を始めた理由は、DXがやりたいというものでした。 当時電話級を取り、ダイポールアンテナを上げて日々ワッチをしていましたが、DXがオープンするタイミングがよくわからず、 見つけたDX局を10Wでいくら呼んでも、交信できずに悶々としていました。 記憶では、VKと一度だけ交信できましたが、すぐ飽きてしまい閉局となりました。

その後、アマチュア無線を始める機会があり、50MHzの国内QSOにのめりこみました。 ローカル局の影響もあり、50MHzで全市と交信を達成し、おかげさまでWACAアワードを受賞しました。 目標を達成すると、次の目標が定まるまで何をやっても面白くなく、アマチュア無線から気持ちが離れていた時期もありました。 そんな時に目標にしたものがDXCCでした。

実際にDXをはじめると、わからないことばかりです。 文献やインターネットの情報、OMの方々の助言をいただきながら、「TRY」の気持ちでDXと向き合いました。 大げさではありますが、英語ができない、CWも下手。 そんなアマチュア無線家でも、TRYの気持ちがあればDXはできなくはありません。 DXを始めてから、20年近くになりますが、まだまだ私のTRYは続きます。


さあ、DXの世界へ

金曜日の夕方は、私のとって一番緊張する時間帯です。 お客様や鬼の担当様から、無理難題の要求はたいていこの時間帯にきます。 だいたい金曜日の夕方に来る仕事の依頼は、「月曜日、朝いち納品」です。 これは週末に遊んではいけないことを意味します。

無事終業時間を迎えると、速攻で帰宅し、都内の自宅を逃げ出します。 スマートフォンの電源を切って夜の関越道に入り込めば、そこはDXへつながる道。 東京から1km、2kmと離れると、だんだん気分も明るくなり、すっかりRADIOな気分です。

2時間かけてシャックに到着するときには、仕事のことはスッカラカンに忘れてしまいます。 さぁ、今週はどんな出会いが待っているでしょうか?


平日は苦悩の日々

ガラッ、カチャカチャ、バタン。 夕闇が迫る頃、我が家のベランダにアンテナが登場します。 アンテナをセットするまで1分間、他の住民に覚られぬよう、ガラッ、カチャカチャ、バタンの毎日が続きます。 集合住宅でのお忍び運用は、神経を使います。 外観に厳しい住民からの指摘を受けないよう、目立たぬ運用を心掛けます。

リグのスイッチを入れると、スピーカーからながれる美しいノイズの音。 自宅にアンテナがあると毎日無線ができるんです。 そう思うと幸せを感じます。 やる気満々でDX局を呼びますが、呼んでも呼んでも他の局に負けてばかり。 苦悩の日々は続きます。