アンテナ試行錯誤 ~ ベランダアンテナで50MHzを楽しむには ~
アンテナをつけては外し・・・試行錯誤は続きました。
首都圏に住むと、どうしてもスペース的に制限があり、アンテナを自由に上げることができません。
その環境をつまらないと思うのか、その環境をおもしろく感じてしまうかは人それぞれですが、
今の私は限られた環境でも楽しめるということを知りました。
実験や工夫をすることで様々な発見があり、趣味としての楽しみを感じることができました。
できる範囲で精いっぱい・・・こんな考えで多摩地区からアマチュア無線を楽しんでいます。 このページでは、私のアンテナについての試行錯誤を紹介していこうと思います。
地形的なこと
私が住む東京都三鷹市は、関東ローム層の上。国分寺崖線の上にあります。 南は多摩川に向かって下り、東も北も単純な地形ではありませんが関東平野に向かって下ります。 西は丹沢や奥多摩の山々が迫っていますが、それほど影響がない距離です。 その南向きのベランダが、アンテナがある場所です。
感じていることではありますが、この地形は悪くない場所のではないかと思います。 以前、18MHzでフランスの局が強く聞こえていました。交信もできました。 他局の交信を聞いていて知ったことですが、LPで入感していたようです。 ダイポールでもこんなに良く聞こえるんだというのが驚きではありました。 DXペディションでも、南方面ならばダイポールと50Wでストレスなく交信できます。 では50MHzではどうなのかというと、まだそこまでの経験がありません。 これから経験したことは、こちらに追記していこうと思います。
最近のアンテナ
2エレHB9CV
このページの上にある写真のアンテナが、中層マンションの最上階のベランダに上がっています。 正確には、「付けてある」というべきですが、南向きに固定されています。
多摩地区から南向きだと、神奈川県の局しかできないの。 そんなことはありません。 確かに神奈川県内の局は強力に入感してきます。 建屋側の北面は期待していなかったのですが、意外に電波は回り込みますので、そこそこ飛んで行っているようです。 北は福島県内でしたらできますので、150km位は交信できる範囲でしょうか。 ではサイドはどうかというと、東は東京区部と千葉県。 中央区オフィス街の二階に住む友人とも、信号が弱いながらもラグチューができます。問題ありません。 西も丹沢の山を飛び越えて、愛知県の移動局と交信ができています。 ここまではグランドウェーブの話ですが、Eスポは問題なく楽しめます。
25年以上前に移動運用のために買ったHB9CVですが、丈夫で壊れません。 ということは、リーズナブルに済ませたいと考えれば中古でもいいということになります。 どうせ風雨に晒せば劣化していきますので、壊れていなければ新品にこだわることはありません。 趣味にあまり資金をつぎ込めない、とりあえずやってみようという方には中古も選択肢ではないでしょうか。 これをしっかりビスで止めて、落下しないようにします。 風が吹いたときは、緩みがないか時々チェックをしています。
アンテナは目立つと気にされている人も多いと思いますが、それほど目立ちません。 マンションの場合、あまり目立つと苦情がきますので、注意も必要です。 下から見ると、よく見ればあるのがわかる程度ですので、建物の美観に影響があるレベルではないと思います。
最大の難関は家族です。 我が家のアマチュア無線免許保有率は75%と高いのですが、理解度はかなり低いです。 50MHzのアンテナは、ちょうど我慢をしてもいいサイズなのでしょう。 とりあえずOKでした。 (HFのVダイポールを上げたときは、見栄えが悪いと言われました)
2019年は、関東地方を襲った台風がありましたが、アンテナは無事です。 50MHzはエレメントが短く、2エレなのでブームも短いので、強風下でもエレメントがしなるだけでした。 台風通過後、確認をしましたが、破損個所はありませんでした。
ポール
1.8m足場単管
近所のホームセンターで足場用の単管を買ってきました。 これをベランダの支柱にしっかり取り付けます。 ベランダの支柱は、1辺が50mmの角パイプです。 取り付け資材をホームセンターで買いましたが、意外と思ったサイズがなく、とりあえずの部品で間に合わせました。
一人で単管をつけようとすると、自立していないために取りつけにくいです。 もうわかり切ったことだと思いますが、単管と支柱をロープや針金で仮固定すると、単管を倒すことなる取り付けられます。 ベランダで単管を倒すと結構な音がしそうです。 部品の落下と共に、静かに他人に悟られぬよう取り付けるのがポイントかも知れません。
単管をもっとしっかり、簡単に取り付けられるよう、金属加工会社に相談をしています。 試作して、良さそうならば希望される方にお分けできるようにしたいと思います。
同軸ケーブル
3D-2V
VHFなのに3D-2Vを使うなんて。というお声もあるかも知れませんが、私の場合はアンテナから無線機までの距離が近いです。 減衰など気にするレベルではありません。 3D-2Vは安いですし、取り回しも楽です。 山へ担ぎあげる移動運用でも、軽さから3D-2Vを使っていますが、50MHzでは十分に使えます。
アンテナにつなげたコネクターは、自己粘着テープで防水しました。 ケーブルがぶらぶらすると見栄えが悪いので、結束バンドで止めます。 結束バンドは安いのでも十分ですが、紫外線で劣化します。 時々変えてやる必要はありますが、半年くらいは持つように思えます。
室内への引き込みは、エアコンダクトの穴を使います。 なぜかうちには2つありましたので、一つをケーブル引き込み用として、キャップに穴をあけてケーブルを通しました。 室内は配線カバーで、灰色のケーブルを隠します。 最近は壁紙に近いカバーがあります。これを使えば、多少は見栄えがいいと思います。 あとは家族に慣れてもらえばOKです。
SWRの心配
1.1以下(チューナーなし)
ベランダはアルミ製、アンテナと並行してステンレスの物干し竿を近づいています。 しかも建屋も近いです。 こんな環境でSWRは大丈夫でしょうか。
一概には言えませんが、そんなに気にすることはないのではないでしょうか。 最近の無線機はチューナーがついています。 ちょっとのSWRならば、付属のチューナーで十分カバーできると思います。
以前、ロングワイヤーを上げるときにマニュアルチューナーを買いました。 これが結構優秀で、SWRを下げてくれます。 50MHzではSWRが下がっているので使うことはありませんが、持っていても損はない機材だと思います。
SWRはできる限りチューナーを使わずに下げる方が、効率よく電波は飛んでいきます。 試行錯誤の調整も、アマチュア無線の世界では楽しみではないでしょうか。 わからないことがあれば、ローカル局に聞いてみればいいのです。
パワー
50Wあれば十分
2エレのHB9CVですので、100W以上の出力はバランスが悪いように思えます。 送信についてはパワーをかけたほうが有利ですが、受信はパワーの関係がありません。 相手にはしっかり信号が届いていても、こちらでは受信ができないというケースが起きます。 あまりその差があり過ぎると、「耳が悪い」といわれてしまうと思います。 具体的な理由を示せないのですが、感覚的に50W。もしかするとそれ以下がバランスのいい出力のような気がします。
ちなみに、CWが不得意で練習中の私は、CWでCQを出すときは出力を絞ります。 理由は、かすかすの信号で呼ばれたときに受信する自信がないからです。 訓練不足で耳が悪いのです。 そう考えると3アマをとったら何が何でも50Wではなく、耳の訓練も必要だと思います。
使ったことのあるアンテナ
自作ダイポール
山で使おうとアルミパイプをつなげたダイポールを使ったことがあります。 バランが防水処理をしていないため、使うときだけ上げていました。 このアンテナでは交信範囲が狭くなりますが、50km圏内という感じでしょうか。
ロングワイヤー
HFの運用を考えて、5.4mの釣り竿に細い被覆線10mを巻き付けて、チューナーで同調させました。 オートチューナーでもいいですが、私はマニュアルチューナーを使いました。 アンテナは細い被覆線ですので、アルミサッシに挟んで室内に引き込みます。 強引ですが、問題は全くありませんでした。 アースが必要になりますが、10mのACコードをベランダに目立たぬように引きまわしました。
これで1.9MHz~50MHzまでカバーでしましたが、使えるバンドは10MHz以上でした。 特に50MHzではそこそこ満足が行く飛びとなり、おもしろいと思いました。 これで国内コンテストに参加し、100交信以上はできてしまいます。
HFのVダイポール
HF用の短縮Vダイポールのコイルを外しでケーブルでつなぎ、エレメントを1.5m位に調整して使いました。 適当な長さでしたが、うまくSWRが下がり、十分実用の範囲でした。 やってみる価値は十分になります。 ただし、ダイポール以上の飛びはありません。
さっと書いてしまいましたが、何かいい情報はありましたでしょうか。 ご質問があれば、わかる範囲でお応えしたいと思います。 また間違えがありましたら、こっそりお教えいただきたいと思います。