全市全郡コンテスト 2019   X50H 全国3位(X50M 全国2位)


台風19号の直撃の可能性あり。
『50MHzシングルバンド・電信電話』にこだわるコンテスト参加としては、できれば移動運用で参加したいものです。 移動運用ならば自宅で運用する不利な部分を、運用地選びで解消できるからです。 自宅のアンテナは、南向きのベランダに取り付けた2エレのHB9CV。 北側に位置する埼玉や北関東との交信は、建物が壁となっていますので不利です。 いろいろな条件があるため、移動運用で参加したいのです。

もし台風が東京近郊に上陸したとしても、きっと足早に過ぎるでしょう。 台風が来る前に運用地に入り、台風をやり過ごしてから参加もできます。 もしくは台風が通過したら、すぐに運用地に向かうこともできるでしょう。

楽観的に見ていましたが、台風が近づくにつれてニュースは深刻な内容を伝えてきます。 近所のホームセンターでは、養生テープやブルーシートが売り切れました。 台風が来る前に運用地入るなどといった考え方はしぼみはじめ、この台風に対して警戒する気持ちが芽生えてきました。 今回は残念ながらコンテストの参加は、あきらめかもしれません。


参加をあきらめる
当日の朝。 コンテストの参加は早々にあきらめ、自宅のベランダの片付けを行う。 もしものことを想定して、ベランダのものは室内へ。 窓には養生テープを貼った。 養生テープは移動運用用として大量に買ってあったため、慌てて購入せずに済んだ。

さて、アンテナはどうしよう。 2エレのHB9CVは、それほど風の影響もなさそうである。 台風に向かって吹く北よりの風は強いが、アンテナのある南側はほとんど無風状態。 ボルトの緩みがないか確認して、そのまま放置することにした。 台風の通過した後の吹き返しの風が心配だが、アンテナがそんなに簡単に折れるわけではないであろう。 それより、栃木のシャックに上がっているHFアンテナのほうが心配だ。


北風が強まる
HB9CVは、時より不規則な横風を受けると多少エレメントがしなる程度だ。 これなら心配はなさそうだ。 風の音を聞くと、勢い余って運用地に向かっていたらたいへんだったであろう。

午後8時。 気になって50MHzをワッチしたが誰もいない。 大きなアンテナを持つ局は、強風で警戒をされていることだろう。 私も栃木のシャックが気になる。 80キロ離れた場所にいるし、今更ばたばたしても始まらない。 アンテナが無事であることを祈るだけだ。

家族は、リビングでTVを見ている。 風の音が少々うるさいだけで、いつもの土曜日の夜である。 特に被害がないようならば、コンテストに参加してもいいのではないだろうか。 一度参加をあきらめたコンテストだが、小さい設備でできる限り楽しんでしまおうと考え始めた。 開始10分前。誰もいないので50.302MHzに陣取る。こんな周波数を確保できたコンテストははじめてだ。


コンテスト開始
すぐに50MHzで活躍するコンテスト局がコールしてきた。 何事もなく運用することに驚きの声(?)もあったが、家族もベランダのアンテナも普段通りである。 コンテストになるとバンド中が聞こえなくなるような電波を出す隣町の大学のクラブ局も呼んできた。 出力区分はP。 アンテナが壊れたのか。

何となく、各局は様子を見ている感じである。 スタート直後から空振りCQが続き、時々呼ばれるというペースで2019年の全市全郡コンテストはスタートした。


時間毎の交信状況

時台21222301 2345678
QSO数1901230 0000098
累計1919313434 34343434344351

時台910111213 14151617181920
QSO数131413105 2110119127
累計647891101106 108119119130139151158

各1時間当たりのQSO数は、非常に少ない。 食事や睡眠はしっかりとり、飽きたら家族とお茶を飲むといった普段の休日同様のスタイルでの運用した。 それでも150QSOできてしまうのがコンテスト。 設備の優劣はないとは言えないが、小さな設備でも楽しめる。


結果
158QSO × 91Multi = 14,378

X50 電信電話部門シングル50MHzバンドH 全国3位
X50 電信電話部門シングル50MHzバンドM 全国2位


このページで伝えたいこと
小さな設備であっても、150QSOを越える交信ができるのがコンテストであるということを伝えたいと思います。 ご自分のペースで交信を重ね、睡眠や食事をしっかりとっても、十分楽しめます。

入賞したことを、報告したいのではありません。 楽しんだ結果、今回はたまたま参加局が限られてしまったことで入賞してしまいました。 決して実力ではなく、長く参加していると時々チャンスが回ってくるのだと思います。

コンテストは小さな設備でも、CQを出すとたくさん呼ばれます。 思いもよらぬ遠距離の電波が届き、交信できるのもコンテストです。 ご自分の持つ設備で楽しんでしまうのが、コンテストかもしれません。 あまりコンテストに興味がない方、参加したことのない方、ちょっとだけコンテストに参加されてはいかがでしょうか。 新しい発見があるかも知れません。



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