6m & Downコンテスト 2019   X50 関東6位


国内コンテストは移動運用で、50W出力で参加したい。

フルで参加するために、発電機を買いました。 これで燃料がなくなるまで運用できます。 国内コンテストでは、こだわりの『50MHzシングルバンド・電信電話』の部に、50W出力で参加します。

【おことわり】本ページ内の日本地図はデザイン化したもので、方角や縮尺、位置関係は正確ではありません。


今年は梅雨寒の日が続く。
北関東は北東からの冷たい風が吹き、時々雨もぱらつく。 ロケーションの良い移動地を選ぶとアンテナもかなり揺れるだろうし、ひっそりと運用できる場所が好ましい。 いろいろと考えた結果、オールJAコンテストで使った栃木県佐野市の林道でアンテナを上げた。 林の中で地形がわからないが、木々が強風を遮ってくれる。

聞こえるビーコンは、1エリアのビーコンと弱々しく福島のビーコンが聞こえるだけ。 北に弱く、西もそれほど良いとは言えない感じである。 ただしEスポが出やすい時期であり、何が起きるかわからないコンテストが6m & Downである。 局数の多い1エリアだけを意識すれば、運次第でうれしい結果が待っているかも知れない。


日没を迎えた。
風がさらに強まる。 外で準備を行っていると体温が奪われて、身体がだるくなる。 防寒用に雨具を着た。例年だと汗をかきながらの運用となるが、今年は明らかに気候が違う。 時間つぶし用として、ビールを持ってきた。 冷えたビールがさらに身体を冷やし、できれば温かい飲み物が欲しい気分である。

20時30分。バンド内をチェックし、信号の強い局がいない50.390MHzでCQを出し始めた。


スタート直後。
スタートして10分。早くも20QSOに達した。 これはいいペースだ。 パイルアップにはならないが、続けて呼ばれる。 この1時間でどこまで伸びていくか楽しみである。

100QSO目前にして、急に呼ばれなくなる。 まだコンテストが始まって1時間しか経過していないのに、空振りCQがつらく感じる。 20年くらい前は、最初の3時間は呼ばれ続けて200QSOは楽に超えていた。 それだけ参加局の減少が著しいのかもしれない。 コンテスト中に何度も呼んできて、腹立たしく感じていた学生のクラブ局も少なくなった気がする。

23時30分まで、SSBにとどまってCQを出し続けた。 もう限界ということで、嫌いなCWへ移る。 SSBと比べて、こちらは賑やかである。 いい加減CWを避けずに、積極運用しないとスコアが上がらなくなってきている。 CWの呼びまわりだけでも、また交信数が増え始めた。


日付が変わって。

CWとSSBを交互に運用する。 一時より運用局が減り、グランドウェーブによる遠方のマルチとの交信がしやすくなる時間帯だ。 バンド内をくまなく探すが、なかなか新しいマルチは見つからない。 兵庫県の移動局とCWでやっと交信ができた。 夏の夜のコンディションと、ちょっと違うような気がする。 眠気に襲われ、早朝に賭けて少々眠ることとした。


うっすらと明るくなる。
夏の夜明けは早い。地震だったのか風に煽られたのか、自動車の変な揺れで目が覚めた。 早朝に水浴びをしようと水を18L持ってきたが、気温が低くそれどころではない。 持ってきた衣服は全部着て、雨具まで着ている。 身体のだるさを感じながら運用を開始した。 CWで秋田、山形の局と交信できた。 いつも落としやすいマルチなので、交信できてほっとした。

7時を回り、まだ230QSOを超えた程度である。 人の起きだす時間帯になっており、SSBで交信数を増やしていく。 新潟の移動局がバックから呼んできた。 新潟もよく落とすマルチであるため、できてほっとした。 8時台前半までグランドウェーブの伸びが期待でき、VFOを切り替えながらマルチを探りとCQを出し続けた。

1エリアの局が、ぱたっと呼んでこなくなった。 こんな時はEスポを疑う。 8エリアのビーコンが聞こえていた。 コンテストで8エリアのビーコンが聞こえると、絶望的な気分になる。


栃木から8エリアは不利。
今までの経験から、そう信じていた。 8エリアの局を50Wでコールしても、南関東のQRP局に呼び負けることが何度もあった。 コンテストで8エリアがオープンすると、あきらめ気分が湧いてくる。 逆に6エリアがオープンすると、南関東より長くオープンすることが多く、チャンスが大きくなる。

しかし、今回は違った。 南関東の局より、北関東の方が強くオープンしているようである。 呼び負けることもなく、ほぼ1回のコールで交信できた。 渡島半島のマルチは難しいとしても、そのほかは交信したい。 探し回ったが、太平洋側の3マルチを落としてしまった。

北海道局に紛れて、岩手の局から呼ばれた。 北方面に強い場所とは言えない運用地であるため、青森のマルチは落とすつもりである。 宮城のマルチが取れたら北にはアンテナを向けず、局数の多い方向に向けるつもりであった。 しかし、最後まで宮城の局とは交信できなかった。


10時半を過ぎた。
ダレ始める時間帯だが、まだ300交信に達していない。 局数の多い南関東にアンテナを向け、CQを出す。 ペースが落ちながらも呼ばれる。

小笠原の局が呼んできた。 すぐにフェードアウトしてしまったが、幸いコピーできた。 相手局は、しっかりコピーできただろうか。一瞬の信号が浮いたタイミングであった。 こんな時は不安定なEスポの可能性があり、スキャッタによる交信も期待できる。 入感エリアが大きく変化するのも、6m&Downコンテストの特徴といえるのではないだろうか。 運用していて楽しくなる。


13時を経過。
残り2時間となり、沖縄の局が呼んできた。 もっと手前の6エリア、そして4,5エリアが開けることを期待しながらCQを出す。 福岡、佐賀、熊本の局と交信できたが、Eスポは安定せず、スキャッタも見当たらなかった。

空腹がつらくなってきた。 Eスポの気配もなく、だんだんと呼ばれなくなってくる。 CQを出している局は交信済みの局ばかりで、そろそろ終わりにしたくなる。

30分を残して、14時半に電源を切った。 もう十分という気になってしまったからだ。 また黒い雲が近づいてきて、できれば雨が降る前にアンテナを下したい。 相変わらず北東の風が強く吹いている。 アンテナを下したときに、ざっと強い雨が降ってきた。 寒い。 早く家に戻り、温かいコーヒーが飲みたい。


久しぶりにしっかりとしたコンテスト参加ができました。 結果はともかく、満足ができれば最高のコンテスト参加と言っていいでしょう。 今回は栃木から8エリアは、決して交信しにくいエリアではないということもわかりました。 気まぐれなEスポの位置や高さ、反射など、パラメータによって伝搬が決まるように思えました。 自分に与えられた条件を考えながら運用していくのがコンテストであり、それができる局がコンテストで勝てるのかもしれません。



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