第2話 ド素人の不安  ~ 心配事ばかりで腰が重くなる ~


2000/09/09

外国語をペラペラ話せる人を見ると、「誰に教わったの?」と聞きたくなります。 英語を聞くと、頭の中ではイヤって言うほど叩き込まれた英文法がおぼろげに浮かんできます。 受験の向けの英語は、残念ながら私の人生では活用されていません。 何のために苦労して覚えたのか疑問です。

英語教育が始まった中学1年の時。 私は英語が得意でした。 理由は、自作したラジオから聞こえる放送局がなぜかFEN(当時)だけ。 小学生から分からないなりに聞き続けて、耳だけは鍛えられたのだと思います。 しかし高校受験が近づき、受験対策になると文法中心の退屈な教科に感じるようになりました。 だんだん授業をまともに受けなくなり、英語に対する熱意と成績は下降線をたどっていきました。 子供の頃の苦手な経験は、歳をとった今でも敏感に反応します。 英語はできれば使いたくないと感じます。

DX QSOは、ほぼ日本語ができない方々とお話をしなければなりません。 したがって、苦手で不得意な英会話はやらねばなりません。 「自分の話す英語は、外国人に通じるのだろうか・・・」と考えれば考えるほど心配になります。 中学、高校と、少しまじめに英語教育を受けておけばよかったと後悔してもすでに遅い話です。 英語が話せなくても何とかなりそうな電信中心の運用という手も考えましたが、 超スロー電信しかできない私にとって、DX局に相手にされないことは目に見えています。 手っ取り早くDXをはじめるには、もはや選択肢は英会話しか残っていません。

ラバースタンプQSOができるように、CQ誌に掲載されていた交信例を紙に写しました。 それを何度も繰り返して声に出し、とりあえず交信ができるように練習します。 父親が真剣に練習する姿を見て、面白おかしく子供が真似をするのが腹が立ちます。 子供にかまわれて怒る父親を見て、ニョーボが腹を抱えて笑い、さらに腹が立ちます。 くそ~、もうやめようか・・・。

心配事は英語だけではありません。 コンディションの把握やQSLカードの回収方法、運用情報の収集など、全くのわかりません。 国内QSOで経験したこととは、違う次元のような気がします。 考えれば考えるほど頭の中で心配の永久ループが起こり、やる前からドキドキしています。 重い腰が、ますます重くなります。