周波数を選ぶ

周波数を選ぶ

アマチュア無線を魚釣りに例えた方がいますが、その通りだと思ったことがあります。 魚釣りの経験がない方でも、なんとなく理解できると思いますが、『魚がいないところで釣りをしても全く釣れない』ということです。

50MHz帯はバンド幅が4MHzもありますので、人がほとんど運用していない周波数もあります。 実際にワッチする周波数の範囲は限られています。 6mの国内QSOなら、50.150~50.300MHzを『ワッチ』してみてください。 その150KHzの中でも、重点となる範囲がありますので意識をしてみてください。

ワッチするべき周波数は、6mを繰り返し運用をしているとすぐにわかってくることです。 またエリアによっても差がありますので、まずは150KHzの幅をしっかりワッチしてみてください。 以下は私の経験した範囲で、ご紹介します。

混雑する周波数

20年ほど前は、1エリアで聞いていると、以下のようなイメージでした。 運用局が増大するEスポ時期と、運用局が閑散とする冬期では差が出てきます。
 50.150~50.200MHz 移動運用局(珍しい市郡)のCQが聞こえる
 50.200~50.250MHz ゆったりしたローカルQSO
 50.250~50.300MHz 混雑を避けた遠方からのCQが弱く入感

最近は、50.200MHzを中心に多くの局が運用しています。
 50.150~50.180MHz 延々と話し込む局が多い
 50.180~50.230MHz 人気の周波数で混んでいる
 50.230~50.250MHz ちょっと余裕がある周波数
 50.250~50.300MHz 空いている周波数(デジタルの周波数を避けて)

以前と比べると、6mでJCCやJCGを真剣に追っている局が少なくなりました。 以前の、50.150~50.200MHzで盛んだった移動運用のサービスが減少し、その代わりに雑談が盛んな周波数が生まれました。 使っていなければ自由に使っていい共有の周波数ではありますが、時間や曜日、コンディションをよく考えて周波数は選ぶべきです。 他の局への配慮ができない局は、6mでは困った存在となります。 ワッチしていると、そのような局は意外と少なくはありません。

混雑を避ける局もいる

50.250MHz以上は、1エリアでワッチしていても使う局が限られています。 CQを出しても、50.200MHz付近と比べても呼ばれなくなりますので、皆さんこの周波数まではワッチしていないのかも知れません。

その1エリアの混雑を避けるかのように、遠方からのCQが弱々しく聞こえます。 遠距離との交信ができるチャンスでもありますので、デジタルの周波数を避けて『ワッチ』をお勧めします。

いつも同じ周波数の局もいる

6mをしばらく運用していると、いつも決まった周波数に出てくる局がいることに気付きます。 有名な局では、コールサインを聞かなくても誰だかわかってしまう位、選ぶ周波数は決まっている傾向があります。 周波数の占拠は許されることではありませんが、その周波数が空いていれば占拠になりません。

昔、勘違いした局が「ここは私の周波数」と主張してしまったことがあったようです。 これは6mに限らず、どこの周波数でもありえないことですので絶対にやめましょう。 悪いうわさが広がり、その局は誰からも呼ばれなくなって6mから消えていきました。 一定の周波数を確保したければ、朝いちで移動運用に出かけ、CQを出し始めれば問題はありません。

困ったミーティング

運用局が少ない夜間に行うロールコールや、ローカルQSOは情報交換としていい運用方法だと思います。 最近はインターネットを使った情報交換も盛んですが、方法が異なるだけで全く一緒のコミュニケーションです。 せっかく使える電波ですので、意識して夜間のローカルQSOを楽しむことは、バンドの活性化や防衛上いいことだと思います。

ただし時間と周波数を選ぶべきです。 絶妙な時間と絶妙な周波数を使って、延々とクローズしたコミュニケーションの展開は、6mの正しい使い方とは言えません。 移動局が多く運用する周波数を使う、とあるクラブ局のミーティング主催者と話をする機会がありましたが、空いている周波数で集まっているとのことでした。 これは彼らの6mに対する知識不足もありますが、それ以上に6mのアクティブ局が減り、バンド防衛が失敗した例と言えます。

困ったDXer現る

50.190MHzで交信していたら、「国内はもっと上でやれ」と言い出した局がいました。 すぐさまコールサインを聞きましたが反応なし。 その後は執拗にビートをかけてきたという悪質な局でした。 国内と名指ししてきていますので、DXを楽しむ局だと推測できます。 ひどい話です。

私も少々DXはやりますし、活躍するDXerとの交流もあります。 トップDXerの方々は礼儀正しく、アマチュア無線家の見本のような方ばかりです。 その反面、勉強不足の勘違いした方がDXerを名乗りだし、トラブルを起こしているようです。 電波でトラブルを起こすのは恥です。 運用している局をどのような目的であっても排除することは、あってはならないことです。

私の周波数選び

運用局が多い季節。 私は北関東で運用することが多いので、南関東の混雑を避けて50.250MHz以上を選んでCQを出します。 この周波数ならばEスポが出ても邪魔にされない周波数で、競合することなくCQを出しつけられます。 しかも、近隣周波数で運用する局の影響もなく、3エリア、4エリアや5エリア東部など遠方の局との交信チャンスがあります。

運用局が少ない季節。 北関東で運用するときは50.190MHz付近の周波数を選びます。 運用局は減っていますが、皆さんワッチしている交信数なので呼ばれます。

いくつか自分の好きな周波数を持っていて、状況に合わせてCQを出すのはいかがでしょうか。 くれぐれも先に交信している局がいるのにも関わらずCQをだしたり、電波を使って言い争いをするのは恥ずかしいのでやめましょう。

まとめ

周波数選びはなんとなくではなく、理由をもって選ぶといいと思います。 6mは比較的礼儀のある周波数だと信じていますが、時々理解不足の局が現れることも皆無ではありません。 悪い運用が行われないよう各局がよく理解をして、活発に運用を楽しむことがよいと考えます。 6mの良い文化、良い雰囲気が維持することで、楽しめる周波数となります。