交信に苦労した市 ~ 簡単に交信できない地域が必ずあります ~
栃木県内でWACA受賞を目指した私の場合、特に8エリア南部と7エリア北部、7エリア西部と4,5エリア東部が苦労しました。 距離的にグランドウェーブによる交信が厳しく、Eスポのオープン機会も少ない地域です。 WACAに挑戦するときに、苦労しそうな地域を早く把握し、交信のチャンスを逃がさないようするとよいでしょう。 その地域にアクティブな運用局の存在も、チェックしておいたほうがいいです。 確実に交信を重ねていけば、WACAアワードは確実に近づいてきます。
8エリア南部の市
1エリアで運用する場合、8エリアとの交信はEスポを利用することが一般的です。 同じ1エリアにありながら栃木では、8エリア南部のEスポのオープン頻度が極めて低いです。 たまにオープンすると、8エリア南部や新潟あたりも一緒にオープンします。 その様な状況になると、8エリアの運用局は0エリアや7エリアのエリア指定をされます。 エリア指定が解けるのを待つと、徐々にフェードアウトしてしまい、何度もがっかりしました。
1エリア南部の局と競ると、出力が1/10のQRP局にも呼び負けします。 わずか100kmの差で大きな違いがあるのが、50MHzの性格です。 Eスポシーズンは8エリアの運用局にとってはベストシーズンですので積極的にCQを出しますが、 パイルアップの陰で苦戦しているエリアがあるのです。
ある日、常置場所(現設置場所)でワッチしていると、8エリア南部の局が強力に入感していました。 交信したことのある市や郡の局がバンド内を埋め尽くしていましたので、バンドの端でCQを出してみました。 すると、函館市や室蘭市、伊達市など、過去に苦労して交信した市郡の局から立て続けに呼ばれました。 中には足利市は始めての交信という局もおりました。 ワッチとCQをバランスよく使うことで、普段交信しにくい地域もあっさり交信できてしまうことがあるようです。
北海道のある市
その市はEスポが発生すると、固定局が時々出てきます。 交信はそれほど難しくないのですが、QSLカードをくれません。 移動運用をする局もなく、その固定局に頼らないとならなず、粘り強くSASEを出しつづけてQSLカードを手にできました。 後日聞いた話によると、QSLカードを出さない局で有名のようです。 たまにこのような運の悪いこともあります。
アワードを受章するには、交信すれば終わりではありません。 ローカル局からのアドバイスですが、1市1局の交信で満足せず、必ず複数局と交信をするべきと言っておりました。 またQSLカードを発行しない局はよく知られていることもありますので、WACAを目指す局とのコミュニケーションで情報を得ることもできます。
7エリア北部の市
栃木からみて、7エリア北部の市はぎりぎりのグランドウェーブでの交信範囲です。 かなり低い頻度ですが、近距離のEスポやスキャッタで交信もできますが、確実といえばグランドウェーブでの交信です。 その場合、相手局もしっかり電波を飛ばしてきてくれる局でないと交信できません。
多くの7エリア北部の市は、グランドウェーブで微小な信号での交信ができました。 三陸の市とはスキャッタで交信ができました。 最後まで残ってしまったのは、青森県三沢市と岩手県水沢市でした。
三沢市は、ローカル局はみな口をそろえて「CQを出していたら呼ばれた」といいます。 私には縁がなかったのだと思います。 青森の移動運用がアクティブな局にお願いして運用していただき、交信することができました。 運や縁もWACAアワード受賞には必要です。
水沢市は、グランドウェーブでの交信は距離的に難しそうな地域ではありません。 交信できなかったのは、こちらも縁がなかったのだと思います 1エリアの局が7エリアに出かけるというので、無理を言って運用していただき、交信することができました。
離島の市
「島を残すな」と、ローカル局の忠告を前から聞かされました。 離島は移動運用に向かう際、海を渡る交通機関の運賃や時間がかかります。 その島にアクティブな固定局がいない限り、交信に苦労します。
観光地だから、ついでに運用してくれる局がいるだろうと甘く見ていた両津市。苦労しました。 天草の牛深と本渡市も、Eスポで九州がオープンしていてもその中から運用局を探せませんでした。 離島とはいえないかもしれませんが、沖縄市も残りました。
交信がたいへんといわれる西之表市は、たまたま見つけたパイルに参加し、交信できました。 それ以降、西之表の局を聞いたことがありません。 もしあの時交信していなかったらと考えると、交信できるときに必ず交信するべきだと思います。
3エリアの市
3エリアはアクティブな移動運用局が多く、交信のチャンスがたくさんありました。 その中でも移動運用しにくい場所などがあるように思います。 栃木から聞く限りでは京都府と滋賀県が、他の府県と比べると電波の聞こえる頻度が低いようです。
その中で京都府長岡京市は、移動運用の計画は聞いていてもコンディションに恵まれず交信できませんでした。 滋賀県八日市市も滋賀県内にお願いできる局がいなく、残してしまいました。
大阪府門真市は過去に移動情報を見かけたことがありますが、その日は仕事で次の機会を待つこととしました。 後に門真市は住宅密集地で運用が難しい聞き、交信のチャンスが低いことを知りました。 チャンスを逃してはいけない市は、情報収集により早めに把握することをお勧めします。
4エリア、5エリア東部の市
グランドウェーブによる交信がぎりぎりの地域は、近距離Eスポによる交信ができる地域です。 ただし近距離Eスポは、頻繁に出現するわけではありません。 栃木からみた西方面は、3エリア西部から4,5エリア東部がこの地域に当たります。
岡山県津山市は、県内在住の局に何度もお願いして移動運用を行ってもらい、3回目で交信ができました。 後に津山市で移動運用を行い、グランドウェーブで電波を1エリアに届ける厳しさを実感しました。 盆地状の地形が、微妙に電波の延びを邪魔しているようです。
徳島県小松島市は、栃木県内にいないときに限ってローカル局から「小松島が入感している」との連絡を受けました。 縁がなかったとしか言えませんが、交信できていない市郡の入感状況を教えてくれるローカル局の存在は心強いです。
香川県善通寺市は連絡を取り合えるコミュニティができておらず、3エリアの局から香川県をアクティブに移動運用をされている局を 紹介していただき、手紙と電話で移動運用をお願いして交信にできました。
香川県観音寺市は最後に交信した市で、それ以降、観音寺市からの電波を聞いたことがありません。 近距離Eスポでいい状態で交信ができましたが、私にとって最高に苦労した市といえます。
5エリア西部、6エリアの市
栃木からですと、この地域はEスポまたはスキャッタによる交信が一般的です。 アクティブに運用する局がいない市もあり、コンディションと移動運用が重ならないと交信のチャンスがありません。
愛媛県大洲市、高知県須崎市、佐賀県諫早市、佐賀県伊万里市。 Eスポが開けて、運用局さえいれば必ず交信できる地域です。 この市を残してしまったことは、一言ご縁がなかったとしか言い様がありません。